色を整えて、心も
カラーグレーディングは、動画制作には欠かせないプロセスです。
具体的には、意図に沿って色調や階調を整えることで、なおかつ全体の統一感を維持することがスチール写真と比べてはるかに重要で困難だから。
これがデジタルで行えるようになったおかげで、撮影の手間とコストはずっと縮小できているのではないでしょうか。
個性的なルックを持った映画、たとえば「ノー・カントリー」と「スリーピー・ホロウ」と「her」を、ほとんど同じ機材で撮影することも可能。フィルムでは、ルックは選択するものだったけれど、デジタルでは好みに応じて作り出すことができる。
そんなこともあって、好きなトーンは映画からインスパイアされることが多いです。RAW現像は好きじゃないので、相変わらず滅多にしないけれど。
写真でトーンをコントロールするとき、ネガっぽい感じにしたいと願う人は多いようです。よく質問も受けます。
とくにXのプロビアなどは、マゼンタがやや強めで、白人女性などを撮ると「抜けるような透明感」というよりは「一杯ひっかけたのかな」みたいな感じになりがち。
例がこちら↓
まずは色調を補正します。
単純化すると、Gのシャドウを上げてハイライトを下げ、Rをその逆に。
あと、ちょっと露出不足のネガを強引に焼いたみたいな雰囲気が好きなので、トーンカーブでシャドウを下げてハイライトを寝かせます。
粒子を足すとさらに近づくんですが、やりたくないことのひとつ。
するとこんな↓感じ。
2014年ごろの海外のファッション誌を参考にしました。
左がbefore、右がafter
せっかくCapture One持っているんだから、便利な機能は使わないともったいないと思って、スタイルに保存しました。
そんなに複雑なことやってないし、写真ごとに微調整の必要はないと思います。