GRとかけてローファーと解きます
ペンタックスKPのコンセプトはとても好きです。
最新テクノロジーが関わる人類の進化のなかで、大きくなることを喜んで受け入れているものって、テレビとスマフォぐらいだと思うから。
シンプルでコンパクトなことには意味がある。
もしまだこの時代に一眼レフに意味があるとしたら、ファインダーの美しさは必須条件で、その点もクリアしています。
ただ、KPの良さを最大限に引き出してやるためのレンズが存在しないことが、このカメラの魅力をわかりづらくしているかも・・・という点がやや残念。
とにかく小さく、できれば明るく、近接に強い単焦点がいいと思います。
リコーGRとかけて、ローファーと解きます。
その心は、怠け者であることを讃えてくれる最初で最後の存在だから。
ちなみにローファー=怠け者という意味です。靴べらがいらないくらい気軽に履けて、デニムでもスーツでも合わせることができるって、すごい。
GR開発時代を知るリコーの社員さんに話を伺ったとき、「基本システムをシンプルにできたことが大きかった」と言っていました。
メニューのシンプルさ、カスタムの便利さ、フォントも含めたインターフェイスの美しさ、いずれもデジタルの一つの到達点だと思っています。
それが製品化できた理由が知りたくて尋ねてみたら、まずは基本システムがシンプルで強固だったことと、自社が持っている技術をふんだんに注げたことと、それが可能な環境があったことを挙げてくれました。
ぼくは開発段階に関わりがなかったので内情をよく知りませんが、エンジニアと商品企画との関係が密接だったのか、試作機を扱う写真家の意見を上手にフィードバックしたおかげか、カメラに理解ある独断的な権限を持った人がいたのか、その全てなのか、完成度の高さには感心します。
ネガティブな反応があるかも、と考えたら採用できなかったことでも、製品に取り入れてある。使いやすさと魅力を両立しながら、多数派のことばかり考えていないように感じます。