Knives Out
いよいよ明日が講演なので、資料の最終チェックをしながら、「そうだ! 昨年の感想文をもらっていたんだ」と思い立ち、生徒たちが書いてくれたアンケートのコピーを取り出してきました。 他県はわからないですが、岐阜県は二年続けて同じ講師が担当することになっていて、違いがわかったり、感想を活かせたりするのが良いところ。 ただ、生徒の半分は同じだから、「また同じこと話してるよ」と思われるかもしれないのは、少し困るところ。
また来年も来てください、写真の楽しさに目覚めました、とか泣かせる言葉のなかに、「私たちがわかりやすいように、笑いやクイズを交えながら面白く語ってくださったのが嬉しかった」と書いてあり、大人だなあ・・・と感心しました。 ぼくの高校にもオリンピックのメダリストや有名演奏家など来てくれたけれど、一瞬でもその人の気持ちになって考えたことなかったです。なんでバッハのバイオリン協奏曲を選んだのかな、とか。
感想のなかで多かったのは
「カメラというのは、写真だけでなく日常にも変化があることがわかってよかった」 「写真の歴史を教わって価値の変化なども知れて、奥が深いことを知りました。自分の写真に生かしたい」 「同じ対象でも撮り方を変えるだけで、気持ちの違いを写すことができると知って興味深かった」 の三つ。講師として最高に嬉しいコメントです。
とくに写真の歴史については、「私たちが何気なくやっていることでも、最初にやった人がいて、今があるんだと思いました」という素晴らしい感想がありました。
いつも思うけれど、写真は古典作品に触れる機会が少なく、新しいものをどんどん消費していくサイクルになっているし、見る人よりも撮る人のほうが多いという事情があり、良いきっかけになってくれたらと願います。 インターネットがあるから、ヒントときっかけさえあれば情報にアクセスするのは楽なはずだから。
審査をしていて気になったことがあって、とくにモノクロがすごく減ったのと、同級生でもいいけど人を撮った写真がほとんどなかった理由について顧問の先生に尋ねてみたら、考えられることとしては・・・と話してくれたことは、いろいろと考えさせららました。
例えば甲子園での、ガッツポーズや連投による酷使、スポーツの指導者はどこまで厳しくしていいのか、古い形式が時代に合わなくなっている違和感など問題があるように、いろんなことが写真にもあります。
生徒たちにとって良い経験になってほしいのと同時に、ぼくにとっても貴重な体験であり、フィードバックを吸収して還元していけたらと思います。
こんなにたくさんの肉筆の文字を見るのが久しぶりで、ずしりと重みがあり、胸が熱くなりました。