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♪縦の糸はカメラ、横の糸はシューズ

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実は初夏から朝ランをはじめました。

ふと思い立って走り出したとき、400mくらいでゼイゼイ息が切れて立ち止まっちゃったけれど、いまは8kmを45分くらいで週に5日のペース。自慢できるほどじゃないけど、当初からすれば悪くないです。
 

最初は、何を着ていいか、どの靴を履けばいいかもわからないから、長袖Tシャツ、スウェットパンツ、ニューバランス1300(持ってるスニーカーでいちばん疲れない)という格好で、フォームもよくわからないのでどこかで聞いた知識で「吸う吸う、吐く吐く」のリズムと、手を振ることだけ考えて、スタートしました。

ボストンに撮影に行ったときも、ほぼ毎朝ランニングしていて、ニューバランスの本社前とかを通るとき「おお!」と感激しました。村上春樹さんも”ランニングに最高の街はボストン”だとエッセイに書いていたはず。
朝ランを日課にしている人たちの気持ちや、旅にランニングシューズを持っていって、走ることで街と深く触れ合う楽しさを伝える人たちの気持ちは、いまではよくわかります。

 

すごく嬉しかったのは、自分が初心者の立場で、何かを始めようとしたとき、どんなことで困って、どうそれを乗り越えようとするか、身をもって体験できたこと。

写真について教えることもあるため、初心者の気持ちがわかるってすごく大切なことです。

 

ぼくは靴を選ぶとき慎重になりました。カメラという機材との出会いが、その趣味との付き合いを決定的にすることがあるのを知っているから。

カメラなら、もしかすると出会いが悪くても、後で良い講師や仲間のおかげでリセットできるかもしれない。でも靴の場合は故障につながります。

下半身の強化のために始めたランニングで故障して、撮影に支障があったら元も子もないです。

 

そこでネットを使って靴選びのアドバイスを色々と見たけれど、当然ながらいろんな説があります。各人の考えがあり、シューズメーカーの思惑があり、体型や体力による違いがあり、好みや予算もある。

わりに早い段階で、僕は神田にあるランニングショップに出向き、自分のフォームを計測してもらって、プロネーション(足の軸の傾き、誰にでもあって矯正できるけれど、合わない靴を履くと故障につながりやすい)を見てもらいました。

次に品揃えが豊富な店で、素直に自分のレベルと目標を伝えて相談しました。

ここですぐに店員が「予算はいくらですか?」と言うようだと、僕としては困ります。それが必要なら二万円の靴でも買うし、じつは高い靴はレース用でむしろ初心者は安いほうがフィットするなら正直に言って欲しい。だから「予算については考えてません」が正直な心境。

でも安いものを買って飽きちゃうの嫌だし、投資したら頑張るタイプだから励みになるようなものがいい。最新のテクノロジーで自分の環境に合うものがあれば提案して欲しい。

そんなふうにしてナイキのフライフリー(最新テクノロジーによる畳めて軽い靴)と、アシックスのGT2000(超定番。マラソンにも出られ、練習用として耐久力もある靴)の二足に決めました。フィッティングだけは、ランニングならではのサイズがあるので、通販ではなく店舗で相談しながら決めました。

 

カメラを始めたいと思った初心者が、これくらいの考えと行動力を持っていてくれたら、ぼくらとしてはすこし助かります。

でもランニングと比べて情報が開かれておらず、予算も必要です。故障はないけれど、うまく撮れなかったら「楽しくないな」「私には合わないのかも」と思ってしまうかもしれない。

こちらとしては、なにが撮りたいか、どれくらいの知識があるか知ってから相談に乗りたいけれど、自分が漠然と思っていることをうまく言葉にするのは難しく、だから写真を撮りたいと思っている、というパラドックスがあります。

「花とか・・・」と答えたとして、花みたいに綺麗なものを撮りたいと思っているのか、すでに好きな花があってそれが撮りたいのかによって、機材も、最初に学ぶべき知識も変わります。

そこで「じゃあ、これを」と勧められるような、いい教室、いい入門書、というのも決定版は思いつきません。

 

ランニングフォームについて調べて、いちばん多く目にしたのは、肩甲骨を寄せて肘を引き上げて走ることと、身体を前傾させて最初に足を踏み出すような感覚で、というふたつ。

今はすこしは理解できますが、初心者に対してこのアドバイスはキツイんじゃないかと感じます。

写真に例えるなら「カッコイイ構図を意識することと、被写体に合ったレンズを選択すること」と言うくらい。そりゃあ、そうだけど・・・。

いまのぼくが、自分よりもさらに初心者にアドバイスするなら、「着地はくるぶしの下あたりを意識して、なるべく膝は使わずに、おへそにちょっとだけ力を入れてそこを前に運んでいく感覚で」と言います。

 

自分に何らかの才能があるとしたら、カナヅチだった頃の恐怖を忘れずにいながら、いまは2キロ泳げることだと思っています。

初めてカメラを手にしたときの興奮と、決定的な挫折をしたときの失望が、まだ自分のなかにある。そしてランニングシューズひとつ選ぶたびに、カメラとつなげて考えることができます。

 

このタイトルは、もちろん中島みゆきさんの「糸」のパロディです。

ここではないどこかへの扉をいつも感じながら、というのは永遠のテーマ。

 

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